最高裁判所第三小法廷 昭和37年(あ)1185号 決定 1962年11月01日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人横田静造、同林藤之輔の上告趣意第一点について。
所論は、憲法三一条違反をいうが、実質は単なる法令違反の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(非居住者である個人経営の外国商社の経営者が来日して日時の経過により居住者扱いとなっても、その経営にかかる海外にある商社が、従来どおりの実態をもって営業を継続している場合は、その海外にある商社自体は、外国為替及び外国貿易管理法上非居住者というべきであるから、本件貿易商社誠隆行を非居住者と認定した原判決は正当である)。
同第二点について。
所論は、量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 高木常七 裁判官 入江俊郎 裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 斎藤朔郎)